昔から「祭」はあまり好きじゃない。「祭」で盛り上がっても、終わればすぐに元の状態に戻るし、拓郎の歌ではないが淋しさがやってくる。
ふと、つぶやく
まず仕組みを作り上げてそこに人を貼付けるような方法は、うまく機能しなかったり、思わぬ反作用が生じる場合が多い。一人ひとりの実践のなかからひとりでに仕組みが出来上がっていくような方法のほうが、私は好きだ。
「勝ち負け」という概念
何度も引用している有史以前の出来事が起きる前には、人々の間に「勝ち負け」という概念は存在しなかった。「ウマにまたがり棍棒を腰に吊るした小男」と「ほかのウマに乗った連中」との間で争いが始まったことにより、初めて「勝ち負け」という概念が生まれた。この争いは当初は、権力者たちの縄張り争いだったのだが、権力者たちは極めて巧みな手口で、羊飼いたちを戦いの当事者にしてしまった。「戦いに負ければ、羊を飼うことができるこの土地が失われるのだ」と。こうして争いの目的はすり替えられ、人々は「勝ち負け」を自分たちの問題だと思い込むようになった。このすりかえをさらに巧妙化したのは「競技」という概念の発明であった。