ツアイスのレンズ待ち
古い時代のカメラマンなので、ズームレンズをあまり信じていません。24mm相当の単焦点レンズを常用するのが潔いと思っています。それもF値が明るくて、いまどきの非球面レンズをたくさん使った収差が少ないレンズがいいです。
もう一つ、デジタルカメラでは受光素子の大きさがとても重要で、35mm判フルサイズとまでは言わないけれど、せめてAPS-Cサイズの受光素子がほしいところです。
という条件を満たす組み合わせが、もうすぐ発売になりそうです。
すでに発売されているSONY NEX-5ともうすぐ発売予定のツアイスの単焦点24mm相当のレンズです。
シュルレアリスム展を観てきました
国立新美術館で行われているシュルレアリスム展を観てきました。
私が尊敬するアジェ(Eugene Atget)の写真がシュルレアリスムの中心人物のひとりであったマン・レイに評価され、機関誌「シュルレアリスム革命」で大きく取り上げられたという事実が、私のシュルレアリスムへの関心の出発点です。
ただ、多くのシュルレアリストたちの作品とアジェの写真との間にあまりに大きな隔たりがあることに、ずっと違和感を持っていました。今回シュルレアリスムの代表作をたくさん見ることができて、その隔たりの理由が分かったような気がしました。
シュルレアリスムの重要な方法論の一つに「オートマティズム」があります。「写真を撮る」というプロセスがまさにこの「オートマティズム」に該当するという理由で、純粋に記録としてパリの風景を撮り続けたアジェの写真がシュルレアリストたちの目に留まったのでしょう。
ただ、ブルトンが「シュルレアリスム宣言・溶ける魚」で下記のとおり定義しているように、シュルレアリスムはあくまでも「心」が出発点なのです。
「シュルレアリスム。男性名詞。心の純粋な自動現象であり、それにもとづいて口述、記述、その他あらゆる方法を用いつつ、思考の実際上の働きを表現しようとくわだてる。理性によって行使されるどんな統制もなく、美学上ないし道徳上のどんな気づかいからもはなれた思考の書きとり」
アジェの写真の本質は、作者の「心」をいっさい消し去った「記録」に徹しているところにあって、一般的な意味での芸術性を排除することで逆により高次の芸術が出現する可能性を高めている点にあると、私は考えています。アジェをシュルレアリスムの写真家だと分類する人が多いですが、それは間違っていると確信しました。
追記:
本稿の内容とは関係ないですが、ダリの「不可視のライオン、馬、眠る女」を見て、彼の筆力はやはりすごいと感じました。
シュルレアリスム展
震災や、それ以外にいろいろあってまだ行っていませんが、開催期間中にぜひ行きたいです。
http://www.sur2011.jp/
プロとアマについて
「プロ(Professional)」と「アマ(Amateur)」を対比する場合、2つの意味の対比があると思います。
(2)専門家(レベルが高い)←→未熟者(レベルが低い)
多くの場合に、職業としている=専門家、職業としていない=未熟者なのだろうと思いますが、例えばかつてのオリンピック競技のアマチュアリズムにおいてはこの関係は崩れます。
写真の場合、もう一つ芸術性という尺度があります。芸術性があるかないかは、職業としているかいないかに全く関係しません。しかも、この尺度の判断主体は、写真家本人ではなく、その写真の鑑賞者だということを忘れてはならないです。
私の写真論
私は今から30年くらい前の学生時代に、「写真の本質はこれだ!」という考え方に到達しました。というかこれは、すでに中平卓馬などが主張していたことで、当時の◯大写真部の部室に立ち込めていた雰囲気だったのかもしれません。しかし、30年も前の当時としてはかなり過激な考え方だったのでしょう。写真展の打ち上げコンパの席などで他大学の写真部の人にこの話をすると、酔いも手伝って喧嘩に近い激論になりました。
その内容をずっと後の1997年にまとめた文章がこちらです。アッジェの写真が高く評価されるのは、本人は意図していなくても、この文章に書かれたような撮影活動を1900年前後に実践していたからです。
ポイントは以下のとおりです。
- 写真の可能性は、撮影者も予測できないまったく新しい映像が、光学的・科学的反応によって出現することである。
- 芸術が芸術家の創作意図の表現であるならば、写真はそれを超えたものが出現してしまうという意味において、超芸術である。
- 写真における撮影者の立場は助産師のようなもので、新しい映像出現のきっかけ作りを担う人である。
- 巧みな写真家は、上記1.のような映像が出現する確率を高める術をよく知っている人である。
30年を経た今なら、この考え方に賛同いただける方が少しは増えていそうな気がします。
オートフォーカス嫌い!
自分でピントを合わせたら、こんなこと絶対に起こらないのに……
新宿ピカデリーにて。
デジカメメーカーに要望!
フィルムカメラ用のレンズをデジカメに付けても、本来の性能を発揮できずに画質が落ちるという記事を読みました(→こちら)。ということで、マイクロフォーサーズ向けのできるだけ明るくて軽量の12mm単焦点レンズを発売してください!
そうしたら、間違いなくそのメーカーのミラーレス一眼を買います。よろしくお願いしますm(__)m
ライカには萌えない
久々のフィルム現像
銀塩を撮る本数がめっきり減ってしまって反省しています。老兵F2を常時鞄に入れて持ち歩いていないことが原因だと思った去年、NIkon 28Tiを買いました。でも、やっぱりレンジファインダーのカメラはフレーミングが思ったように決まらなくて、あまり使い勝手がよくありませんでした。今年はF2に、もう一度働いてもらおうと思っています。
8本現像しましたが、さっとルーペでチェックした限りでは、使える写真は1〜2枚かなあという感じです。