July 2008 Bill Gates will transition out of a day-to-day role in Microsoft Corp. to spend more time on his global health and education work at the The Bill & Melinda Gates Foundation.
かねてからアナウンスされていたことですが、その日が近づいてきました。
ビル・ゲイツとマイクロソフト成功の背景には、大きな要因が4つくらいあったと思います。
1.IBM PCおよびその互換機用OSのPC DOS(MS-DOS)を開発したこと。
2.ゼロックスのパロアルト研究所でAltoを見学し、MS-DOSが将来通用しなくなることを見抜いて、Windowsを開発し、これによりGUI環境のOS市場で独占的地位を確立したこと。
3.インターネットの普及に呼応して、Webブラウザー市場でInternet ExplorerによってNetscape Navigatorを駆逐したこと。
4.オフィススイート製品のMicrosoft Officeで圧倒的シェアを確立したこと。
特に1.については、ビル・ゲイツにとって、かなりラッキーな要素が重なりました。1980年7月頃、パーソナルコンピュータの開発に多くの経営資源を投入できなかったIBMは、マイクロソフトにintel8086対応版のCP/Mを開発してもらおうとしましたが、IBMは、CP/Mのソースの権利を持っていなかった為、ビル・ゲイツのアドバイスによってデジタルリサーチ社と交渉することにしました。
ところが、IBMとデジタルリサーチ社のゲイリー・キルドールとの交渉はまとまらず、結果として、ゲイリー・キルドールは世紀のビッグチャンスを逃してしまいます(もしこの交渉がまとまっていたら、マイクロソフトの成功はなかったでしょう)。
交渉がまとまらなかった理由については、諸説があります。
1.IBM の代理人がデジタルリサーチ社のゲイリー・キルドールを訪ねた時に、彼が会おうとしなかった。
2.デジタルリサーチ社を訪問した IBM の重役達を何時間も待たせたまま、キルドールは自家用飛行機を飛ばしに行っていた。
3.キルドールは商談には関与せず、弁護士でもある妻の Dorothy McEwen に任せていたが、彼女が IBM との秘密保持契約へのサインを嫌がった。
4.キルドールは PL/1 コンパイラに取り組んでいたので、当時は CP/M の 16bit プロセッサへの移植には興味が無かった。
5.実際に交渉面で折り合いがつかなかった。
結局、IBM はマイクロソフトにOSの提供を依頼し、マイクロソフトもまたそれを受諾しました。ところが、当時マイクロソフトにはOSを開発した経験がなかたったので、独自に移植作業を行っていたシアトルコンピュータプロダクツ社から86DOS(QDOSの最初のバージョン)の非独占的なライセンスを買い取り、さらに1981年5月に開発者のティム・パターソンを引き抜いて、QDOS の IBM PCへの移植を行なわせました。
そして、1981年にIBM PC用のPC DOSが発売されましたが、マイクロソフトはIBM以外のメーカーへのOEM供給を主張した結果、両者の妥協案として、IBM PC以外用のMS-DOSも発売されました。IBM PCの出荷台数に対して使用料を支払うというライセンス契約をしたこと、マイクロソフトから各メーカーへの自由なOEM供給を認めたことが、後のマイクロソフトの躍進の原動力となり、見方を変えれば、「みすみすビッグチャンスをマイクロソフトに持っていかれた」IBMの大失策であるとも言われています。
いずれにしても、ビル・ゲイツが経営の第一線から身を引くことによって、史上最大のアメリカンドリームの物語が一応完結したと言えるでしょう。
追記:私が初めて買ったのは、MS-DOS3,3C(NEC版)でした。
“Bill Gates & Microsoft” への15件の返信
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IBMとMSの共同開発のOS/2なんてのもありましたっけね。
アップルから見たビルゲイツの話はよく聞きますよね^^;
Blindmace さん>
OS/2は、すごく懐かしいですね。
私は、インストールしましせんでしが、
私のパソコンの師匠にあたる人がインストールしていました。
プログレ子 さん>
スティーブ・ジョブズもビルゲイツも、
ほぼ同じ時期にパロアルト研究所でAltoを見学して大きな衝撃を受けているのですが、
出来上がってきたものは、Macintoshのほうがはるかに優れていましたね。
ビルゲイツ側の弁護士が超やり手だったので、裁判で負けなかったことが
(企業拡大の原動力として)大きかった、とどこかで聴いたことがあります。
2ごウサさん>
それが一番大きな成功要因だったかもしれないですね。
弁護士さまさまだったんですね(;´Д`A ```
Tsさん>
マイクロソフトの歴史は、反トラスト法訴訟の歴史だったということができるでしょう。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20063039,00.htm
Windowsも、もっとサクサクと動きませんかねえ。
いつの間にか、マイクロソフトの作ったものばかりになってしまいました。
Dr.RCLさん>
サクサク動かないWindowsを作って、
さらにスペックの高いPCを売りつけるのが、
MSとハードメーカーの密約です。
はじめさん>
私は、身の回りからMS製品を徹底的に排除しています。
もしCURURUに機種依存性がなければ、
とっくの昔にWindowsとおさらばしています。
パソコンも楽しみでなく、ビジネスになってつまらなくなってしまいました。
はじめさん>
ビジネスだけで使っていては、本当につまらないですね。
家ではWordもExcelもほとんど使わないです。
バトル オブ シリコンバレーにそのあたりの話がこってりと出てましたね。