ここ20年くらいの間に、日本酒の醸造技術が格段に進歩してきたと感じています。かつては杜氏の勘に頼っていた領域が正確に数値制御できるようになり、目標とするターゲットの品質がきちんと作り込めるようになってきたのでしょう。同時に、「生酛造り」や「山廃造り」といった昔ながらの醸造技法が見直され、最新の生産管理技術によって復活してきました。
日本酒の醸造技術のポイントは「一に麹、二に酛、三に造り」と言われています。「麹造り」は蒸した米に麹菌をふりかけて麹を造る過程、「酛(=酒母造り)」は酛桶と呼ばれる小さなタンクのなかで酵母を大量に増やす過程、「造り(=醪造り)」は大きな仕込みタンクで醪を発酵させる過程です。酒蔵の風景としてよくテレビに映される大きなタンクは醪の仕込みタンクです。
さて、「生酛」や「山廃」は、このなかで2番目の酛造りの技法です。酛桶は蓋をせずに開けっ放しにするので、外部から侵入する雑菌や野生酵母を乳酸で駆逐する必要があります。この乳酸の作り方の違いによって「生酛」「山廃酛」「速醸酛」に大別されます。歴史的にみて、古くから行われていたのが「生酛造り」、そのなかで重労働を要する「山卸」というプロセスを廃止したのが「山廃造り」、そして人工的に乳酸を添加するのが「速醸酛造り」です。最近のお酒はほとんどが速醸酛造りでしたが、「生酛造り」や「山廃造り」では途中で死滅しない強い酒母ができるので、その結果しっかりとした品質のお酒ができると、近年大いに見直されています。
ちなみに、初めて生酛造りの量産化に成功したのは菊正宗酒造で、上撰・本醸造酒をすべて生酛造りに転換しています。また、黄桜は山廃造りに力を入れています。
“日本酒の話(その1) 「生酛と山廃」” への8件の返信
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菊正宗は甘口ですなぁ~
大阪ではから口の剣菱が多いです。
スーパーライフで売っている「山田錦」も安くてうまい!
そろそろ、お酒の季節になってきたかぁ・・・
どうにも「おいしぃww」という日本酒にいまだ会えず
口がお子様なのか、好みの問題か・・・
私は家では、滅多に飲まないのです・・・・
最近、名古屋でいい酒屋を見つけたのです。
日本酒の品揃えは、かなりのものです。
知り合いの店の隣りなので、行く度に「出羽桜」「景虎」「菊姫」などを買って、
大門で飲んでます。
ここに書いているのは、本醸造クラスのお酒でもかなり美味しくなってきたという話で、大吟醸は「YK35」とか、また別の議論になります。若い頃に、4合瓶で5,000円もするような高い大吟醸を飲んでいなかったら、今頃もっとお金が貯まっていたと反省しています。
東京で、出品酒などのキワモノの大吟醸が買えるお店として有名なのが西荻窪にある「三ツ矢酒店」です。
http://www.sake-mituya.com/
そういうキワモノは店にいかないとだめかもしれませんが、いちおうお取り寄せもできます。
いや、菊正宗はけっこう辛口のほうだと思います。でも、辛口・甘口という基準はあまり重視していなくて、大吟醸でなく本醸造レベルでも、吟醸香がほんのりするようなのが好きです。
とても贅沢なのですが、一度思い切って精米歩留まり35〜40%の大吟醸を買ってみると、日本酒に対する概念が変わるかもしれませんよ。
こんばんは、遅い時間ですが書き込みを
菊正宗は私も辛口の方だと思います、
甘いと言えば秋田の爛漫や四国の梅錦あたりだろうか…
剣菱は河豚のひれ酒のとき、よく飲んでます。
ブドウ酒や果実酒等から比べると
日本酒て作るのは大変なのは、一度蔵元見学会に行き説明で思いました、
私はどっちかと言うと地酒派で、
あまり高い日本酒は飲めない派(買えない)です…(笑)
私もずっと地酒派でした。一番好きなのは、石川県の「手取川」です。鳥取の「諏訪泉」も好きです。お正月などには、ちょっと高いけれど、岡山の「歓びの泉」なんて飲んでいました。
でも、最近あまりこだわらなくなって、スーパーで本醸造の箱のお酒を買うようになりました。そのなかでは、生もとの菊正宗がかなり美味しいと感じています。