「平器」について考えたこと

今回の北朝鮮のミサイル発射は、「平器」構想(→2010年6月23日の記事)について、より具体的に考える機会を与えてくれました。この件を通して、次のようなことを感じました。

  1. 身に降り掛かってきた火の粉を払う行為であっても、場合によっては相手に口実を与え、紛争や戦争の引き金になる可能性がある。
  2. 「平器」を作るには最先端技術が必要だが、まだまだそのような技術的レベルにはほど遠く、空想の域を出ない。
  3. 「平器」を作るには巨額に費用がかかる。
  4. 弾道ミサイルだけなく、さまざまな種類の攻撃に対する防御も必要である。
  5. どのような組織が「平器」を維持運用するかは、慎重に検討する必要がある。
  6. 「平器」を作るよりも、もう一歩進んで「平器」すら要らない世界を作ることが究極の目標である。

「平器」の要件も少し変わりました。

  1. 他者を攻撃して傷つける機能を持たず、ふりかかってくる火の粉を振り払うことだけに特化している(「迎撃」ではなく、むしろ「電磁バリア」や「防弾チョッキ」のイメージ)。
  2. それが「平器」に該当することが国際的な中立機関によって承認されている。
  3. 使用できる状況及び使用方法を定めた明確で具体的なガイドラインが制定されており、それに従って使用する場合は応戦と見なされない。
  4. 使用した際には、直ちに詳細な使用状況を公表する。