今から30年以上前、私が大学生の頃のことですが、初めて聴いた谷山浩子さんの曲は「あたしの恋人」でした。あまりに衝撃的な歌詞に驚愕したのを覚えています。
あたしの恋人は 飛行士で
初めての 空を 飛んだ時に
真っ赤な 炎 吹き上げながら
落ちてきたけど 死ななかった
今回、「あたしの恋人」はセットリストにありませんでしたが、会場からのリクエストで同じアルバムに入っている「積み木の家」を聴けて、とても懐かしい気持ちになりました。谷山さんのライブでは、会場からのリクエストに応えて歌うことがごく普通にあるようですが、いくら自分の曲とはいえ、膨大な曲のなかからどんな曲をリクエストされてもいきなり歌えるのはすごいなあと思いました。一曲だけ楽譜がなくて、ちょっと困った感じになったのですが、ちゃんと会場に楽譜を持っている人がいたのもすごいことです。
このライブはサポートメンバーはいなくて、すべて谷山さんのピアノ弾き語りでした。また、谷山さんのライブでは観客が手拍子をする習慣はないようで、そのためにかえって谷山さんの歌声をじっくり楽しむことができました。初めてライブで聴いた谷山さんの歌声は、CDで聴く以上に繊細で、表現力豊かでした。澄んだ高音ももちろんいいですが、低い声の響きがとても心地よく聴こえました。
ライブでの谷山さんのMCは、雄弁ではないけれど、思っていることを一生懸命伝えようとする感じがして、まさに私がイメージしていた谷山さんそのものでした。今回のライブのMCや、40周年記念ライブのCDでのMCで知ったことですが、谷山さんがほんとに自由自在に自分でもお気に入りの曲を作るようになったのは、90年代以降なのですね。もう一度、そういう観点で、90年代以降の曲を聴き直してみようと思いました。
それから余談ですが、谷山さんはとても早い時期からパソコンを使っていて、本名の「谷山浩子」のハンドルでパソコン通信をしていたら、ファンが谷山さんの名前を名乗っていると勘違いされ警告を受けたことがあるそうです。ライブグッズの「LEDスティックツールセット」も、どこか「らしさ」が感じられます。
【セットリスト】
1)まっくら森の歌
2)DESERT MOON
3)ねこの森には帰れない
4)ねこねこでんわ
5)世界一不幸なトナカイ
<会場からリクエストを受けて5曲>
(ほんとうは4曲の予定でしたが……)
6)朝の扉をひらく時
7)積み木の家
8)裸足のきみを僕が知ってる
9)花園の子守歌
10)約束の海
<休憩>
11)無限マトリョーシカ
12)何かが空を飛んでくる
13)素晴らしき紅マグロの世界
14)恋人の種
15)さよならDINO
16)海の時間
17)電波塔の少年
<アンコール>
てんぷら★さんらいず
<ダブルアンコール>
エッグムーン
【今回getした品】
デビュー40周年記念ライブのCD
LEDスティックツールセット
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