27日に珈琲豆の精製方法について書いたので(→こちら)、次は、自分自身の備忘録のためにも、コーヒーノキの品種についてまとめてみました。
コーヒーノキは、アカネ科コーヒーノキ属(コーヒー属、コフィア属)に属し、エチオピア原産でイエメンに広まったアラビカ種、コンゴ原産のロブスタ種、西アフリカ原産のリベリカ種、その他の原種に大別されます。このうち、ロブスタ種は主にインスタントコーヒーに使用され、リベリカ種は生産量がとても少ないので、ここではもっぱらアラビカ種の栽培品種について書きます。
アラビカ種の二大品種といえば「ティピカ」と「ブルボン」でしたが、この2つは収量があまり多くなく、病虫害にも弱いという弱点がありました。その後、突然変異や品種改良の結果、収量が多くて病虫害にも強い品種が派生してきました。その一方で、風味の優れた「ティピカ」「ブルボン」へ回帰する動きもあります。
■ティピカ
中南米に移入されたアラビカ種を起源とします。収量が少なく、病虫害にも弱いですが、香り・酸味・甘味のバランスが優れているので、最近再び見直されています。
■スマトラ
インドネシアに移入されたアラビカ種を起源とする品種で大粒です。代表的な銘柄はマンデリンです。
■ブルー・マウンテン
銘柄としてのブルーマウンテンではなく、ジャマイカに移入されたアラビカ種の品種を指します。ケニアやパプアニューギニアなどにも移入されています。
■モカ
特定の一種類の品種ではないけれど、エチオピアやイエメンで栽培されている品種を「モカ」と呼びます。
■ブルボン
イエメンからブルボン島に移入されたアラビカ種が突然変異したもので、ブラジルに移入されました。甘味があって品質は良好です。ブラジル・サントスが代表的な銘柄です。
■カトゥーラ
ブラジルで見つかったブルボンの変異体です。高品質で強めの酸味が特徴です。現在、発見されたブラジルではほとんど栽培されておらず、コロンビアでたくさん栽培されています。
■ムンド・ノーボ
ブラジルでブルボンとティピカの自然交配から生まれた品種です。病虫害に強く、比較的高収量。ブルボンとティピカの特徴を併せ持ったような調和の取れた味で、ブラジルの主力品種の一つです。
■カトゥアイ
高収量で、味はブルボンに似ています。ブラジルの主力品種の1つです。
■ゲイシャ
エチオピア原産の野生種で、パナマやマラウィで盛んに栽培されています。収量は少ないですが高品質です。
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