【追加】本記事の「2.周りに配慮して撮る」については、続編があります。こちらもご覧ください。
数年前からライブの写真を撮ることが多くなりました。注意していることや撮影のコツなどを簡単にまとめてみました。
1.撮影OK、NGの方針に従う
ライブ中に撮影OKの場合とNGの場合があるので、必ずその方針に従います。通常は撮影OKのミュージシャンでも、会場やイベントによってはNGの場合もあります。また、ライブ中のこのコーナーの間だけ撮影OKという場合もあります。不明な場合は、あらかじめ本人やマネージャーさんに聴くようにしています。
2.周りに配慮して撮る
撮影OKの場合でも、ライブの本来の目的は音楽を楽しむことなので、シャター音で周りの人の邪魔をしないように気をつけています。D800Eのシャッター音はかなり大きめなので、消音ケースの購入を考えたことがありましたが、口コミ情報によると、消音効果はあまり期待できないようです。基本的に、最初の数曲は何も撮らず、他の人が撮り始めてから、自分もおもむろに撮り始めるようにしています。静かなバラードの曲の間は撮影を控えて、みんなが手拍子をして一緒に歌うようなにぎやかな曲やMCの時に撮るよう心がけています。意外とMCの間にいい表情が撮れることが多いです。どんな時もむやみに連写はせず、表情の変化を予測して、ここぞという時に1枚だけカシャリと撮ります。よく歌う曲の場合には、この歌詞を歌う時にいい表情をするというのがだいたい予測できるようになります。
3.RAWで保存する
RAW形式で画像が保存できるカメラならば、JPGではなくRAWで保存します。JPGはカメラに内蔵された画像処理エンジンが処理をした後のデータで、これに対してRAWはセンサーが受光したままの生のデータです。晴天の戸外と違ってライブ会場の光の状況は特殊なので、画像処理エンジンによる最大公約数的な処理では不十分です。RAW現像をする過程で、色温度・コントラスト・彩度などを自分で補正して、はじめて整った写真になります。「白とび」「黒つぶれ」「色かぶり」などもある程度補正することができます。
4.露出の決め方
露出は、ISO感度・シャター速度・絞りの組み合わせで決まります。(ジャンプをしたりする)動きが激しい人の場合は、遅いシャター速度ではブレブレになってしまいます。止まっているものは止まって写り、動いているものは適度にブレて写るようなシャッター速度がベストです。複数の人を一緒に撮る場合は、全員にピントが合うように、できるだけ絞って被写界深度を稼ぎます。シャッター速度と被写界深度(絞り)はトレードオフの関係にありますが、ISO感度を上げると両立させることできます。ただ、ISO感度を上げるとノイズが出やすいので、できる限り低めのISO感度で撮りたいものです。さらに、多くの場合、ライブが始まると室内の照明は暗くなり、スポットライトだけが演奏者を照らします。このような条件下で露出補正せずにそのまま撮ると、演奏者の顔が真っ白に飛んでしまいます。半絞り〜2絞りくらいアンダーに補正して、やっと顔が適正露出になります。ということで、最初の数カットは露出補正値を段階的に変えて試し撮りをし、上記の諸要素を総合的に考慮して露出を決めます。
佐久間順平・常富喜雄・井上ともやす・いわさききょうこ in 風に吹かれて
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