私がKOKIAさんの曲と出会ったのは2000年代初め頃(→こちら)でしたが、やっと念願が叶ってKOKIAさんのコンサートに行くことができました。
「Soloist」は「独奏家」または「独唱家」という意味です。なんてふさわしいタイトルなのでしょう。その歌声は、時には繊細で、時には力強くて、「独唱家」としてのKOKIAさんの凄さを実感したコンサートでした。とにかく、歌声に込められたエネルギー量が絶大で、ただただ圧倒されるばかりでした。
また、今回の「Soloist」はKOKIAさん本人だけでなく、ゲストの演奏者も「Soloist」として活躍している人達です。クラシックギターの村治奏一さんは、「アランフェス協奏曲」で有名な村治佳織さんの弟さんで、現在はニューヨークを拠点に活躍している新鋭ギタリストです。チョロの溝口肇さんは、チェリストとの活躍はもちろんのこと、映画・テレビドラマ・アニメの劇伴を幅広く手がける人です。今回は、溝口さんのチョロとKOKIAさんのボーカルとのコラボレーションが特にすばらしかったと思います。例えば、「愛と平和と音楽と」はチョロの「刻み」から始まるのが印象的だったし、「傘を貸してあげて」の1番はKOKIAさんのボーカルではなくチェロの独奏でした。
さらに、今回KOKIAさんのコンサートが初めてだった私にはその場では分かりませんでしたが、後から他の人のTweetなどを読むと、今回のセットリストのなかの「tomoni」「調和」「最終上映」「人間ってそんなものね」などは普段コンサートであまり歌わない曲で、特に「調和」は完全にボーカルとピアノだけのアレンジだったので、常連の人にとっても感涙ものだったようです。次のニューアルバムに入る初披露新曲まで聴けて、とてもラッキーだったと思います。
「最終上映」と「次会う時は」の間に、KOKIAさんが何かつぶやきました。みんなが聞き取れずに反応がないと、今度は大きな声で(しかも、しゃがれた声で)「みんな!、のってるかい?」。意外な発言に、会場は「ええー?」という感じでしたが、次の「次会う時は」では会場から手拍子が始まりました。コンサートの進め方やMCなどから、やっぱりKOKIAさんの立脚点はクラシックなんだなあと感じました。
今後の予定は、12月10日(日)に東京文化会館大ホールで、オーケストラとのセッションのコンサートが開かれます。年明けには、現在製作中のアルバムがリリースされる予定です。そして、来年の4月29日に最初のシングルをリリースしてからちょうど20周年を迎えるので、20周年記念のコンサートが予定されているそうです。
【セットリスト】
1)花
2)so sad so bad
3)私の中の獣(新曲)
4)音蒔き 歌蒔きのうた
5)Family Tree
6)愛と平和と音楽と
7)傘を貸してあげて
8)a Gift
9)Remember the kiss
10)調和
11)tomoni
12)最終上映
13)次会う時は
14)心のロウソク
15)why do I sing?
16)moment~今を生きる~
17)人間ってそんなものね
18)歌う人
19)人生は歌のようね
クラシックギター:村治奏一
チェロ:溝口肇
ピアノ:瀬田創太
ギター:高木大輔
パーカッション:福長雅夫
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