東村山市の久米川駅の近くにある「音楽酒場すなふきん」で行われた『四角佳子「春の風コンサート」with 高木大輔』に行ってきました。おけいさんのライブを聴くのは、2016年2月の「四角佳子 & 及川恒平 K2 LIVE in FUSSA NOEL」以来2回目です。いずれも樹よう子さんが企画するPROJECT Yのイベントです。
六文銭は、1968年に結成され、1972年に解散しました。おけいさんは、その最後の時期のメンバーでした。私は1968年にはまだ小学3年生でしたが、六文銭と上條恒彦さんの「出発の歌」が大ヒットした1972年には中学1年生になっていたので、よくこの曲を歌いました。おけいさんは結婚とともに引退し、その後28年間沈黙を続けていましたが、2000年に小室等さん・及川恒平さんと3人で「まるで六文銭のように」を結成して復帰。現在はこむろゆいさんが加わった「六文銭’09」のメンバーとして、さらにソロでも活動しています。
1曲目の「夏・二人で」は、アルバム「キングサーモンのいる島」に収録された六文銭の後期の代表曲で、まるで夢の中の出来事のような歌詞を、おけいさんと及川恒平さんが絶妙にデュエットしている名曲です。この日は、サポートの高木大輔さんとデュエットしました。「あめのことば」と「ただあたたかくカラッポに」は、活動を再開した「まるで六文銭のように」の曲。どちらも、長い時間を経て紡がれた宝物のような歌詞が印象的な曲です。「ホワンポウエルの街」は作詞が及川恒平さんで、作曲はおけいさんです。「ホワンポウエル」という街は実在するするのかな?と思っていたのですが、及川さんが考えた架空の地名のようです。前半最後の曲「明日も公園に行こう」は、東日本大震災の翌年に「日本一短い手紙コンクール」で大賞を受賞した「娘へ」という作品をベースに、中山千夏さんが作詞、小室等さんが作曲した曲。「明日も公園へ行こう。明日で世界が終わるとしても、一緒に公園へ行って遊ぼう。」という歌詞が心に響きます。
サポートの高木大輔さんは、おけいさんからみると自分の子供よりも若い世代です。高木さんは、4月28日(東京・恵比寿ガーデン・ホール)、5月12日(大阪・大阪南港ATCホール)に高田漣さんと共にライブを行う予定なので、それに関連づけて、6曲目と7曲目は、漣さんのお父さんの高田渡さんの「アイスクリーム」と「自転車に乗って」のカバーでした。
また、前半の冒頭では、高木さんがソロでオリジナル曲とカバー曲の2曲を歌いました。高木さんはギターのうまさはもちろんのこと、とても綺麗なボーカルが印象に残りました。2曲目の「傾いた絵」は「松ノ葉楽団」の曲のカバーですが、「なんてすごい曲なんだ!」と驚愕しました。この歌詞は、近代科学と、その上に成り立っている今の世の中の問題点を鋭く風刺していると思います。作詞者の松葉類さんは、現在外国で哲学の勉強をしているそうですが、それを聞いてなるほどと思いました。
後半は、とても意外な曲、ピンクレディの「UFO」から始まりました。次の「ほしぞら」の作詞は及川恒平さん。「もう一度 出会えるのなら 明日など なくてもいい あなたのそばで 眠りにつく ただ一日が あるのだったら」という歌詞が心にしみます。及川さんはすばらしい詩人ですね。「ガラスの言葉」からは、国枝さんがハモニカで参加。ハモニカが加わると、音楽の表現に幅ができます。「春の風が吹いていたら」は、吉田拓郎さんのアルバム「御伽草子」でデュエットした曲。長い年月を経て、今、この曲をこうやって聴けるのは、とても感慨深いです。「インドの街を象に乗って」以降は、会場みんなで合唱して大いに盛り上がりました。
【セットリスト】
前半
- 夏・二人で
- あめのことば
- ただあたたかくカラッポに
- ホワンポウエルの街
- りんごの木の下で(1905年アメリカの曲)
- アイスクリーム(高田渡のカバー)
- 自転車に乗って(高田渡のカバー)
- 明日も公園に行こう
高木大輔さんのソロ
- 一人ぼっちの夜(オリジナル曲)
- 傾いた絵(松ノ葉楽団のカバー)
後半
- UFO(ピンクレディのカバー)
- ほしぞら
- ラストダンスは私に(The Driftersのカバー)
- ガラスの言葉
- 春の風が吹いていたら
- インドの街を象にのって
- (アンコール1)雨が空から降れば
- (アンコール2)出発の歌
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