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電子シャッターにおけるフリッカーの影響について

7月3日のいわさききょうこさんのライブ(→こちら)で撮った写真の大半に、下のような縞模様が写っていました。撮り始めてすぐに気づいたのですが、シャッター速度を変えたりしても、最後までこれを解決することができませんでした。

いわさききょうこさん

電力会社から供給されている電気は正弦波の交流で、周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzです。だから、蛍光灯などの光は、目には見えないけれど、1秒間に100〜120回点滅しています。このチラツキのことをフリッカーと言います。カメラで1/250秒くらいの比較的速いシャッター速度で撮った場合には、点滅している光源が光った瞬間にシャッターが切れるのか、消えた瞬間にシャッターが切れるのかで、写真の明るさが違ってきます。一方、1/30秒とか1/15秒といった遅いシャッター速度で撮った場合には、シャッターが開いている間に光源が何度も点滅するので、明るさが安定します。

ここまでは、物理的なシャッター幕が受光素子の前を走るメカニカルシャッターでの話で、受光センサー自体が電子的にシャッターの働きをする電子シャッターの場合は、話がもっと複雑になります。電子シャッターは受光素子が小さいスマホのカメラなどに採用されていますが、最近のハイエンドな一眼レフでは、メカニカルシャッターと電子シャッターを選択して使い分けできる機種が増えてきています。特に、ライブ会場など、シャッター音が気になる場所での撮影では、電子シャッターの特徴を活かしたサイレント撮影の連写が威力を発揮します。

さて、電子シャッターでは、たとえ速いシャッター速度で撮っても、メカニカルシャッターの幕速に相当するセンサーの順次読み出し速度が遅いために、画面の上の方と下の方とでは写るタイミングにタイムラグが生じます。このタイムラグの間に光源が点滅を繰り返すので、明るいところと暗いところが縞模様になってしまうのです(上の写真を参照)。

D850で電子シャッターによるサイレント撮影をするようになって約9ヶ月経ちましたが、これまでフリッカーによる縞模様が発生したことは一度もありませんでした。でも、7月3日の会場は照明の一部がLEDで、たぶんこれがスタティック点灯ではなく、ダイナミック点灯だったのでしょう。そのために他の光源よりも強い縞模様が発生したのだと思います。今後はこういったLED光源の会場で撮る機会が増えると思うので、なんらかの対応策を考えないといけないですね。

ややこしいカメラの話ばかり続いたので、最後にいわさききょうこさんの歌う「セブンティーン」(及川恒平作詞、井内敏之作曲、常富喜雄編曲)を。新しいオリジナルアルバム「道の鼓動」に収録されています。

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