2018年2月11日にアップした記事を一部編集して再掲します。
本日2月11日が「建国記念の日」と定められたのは、初代天皇とされる神武天皇が紀元前660年1月1日に即位したという記述が「日本書紀」にあり、旧暦を新暦に換算すると2月11日になるからです。
「日本書紀」は日本の正史だとされていますが、完成したのは奈良時代の720年と神話の時代からみればかなり新しい時代で、時の政権(天武天皇と持統天皇)の意向を色濃く受けて編纂されたものです。
「日本書紀」は中国の正史に倣って漢文で書かれています。森博達さんの『日本書紀の謎を解く―述作者は誰か』 (中公新書) は、「日本書紀」に使われている漢字の音韻や語法を細かく分析し、その結果、渡来中国人が著わしたα群と、日本人が書き継いだβ群が混在することを明らかにしています。また、α群のなかにも後から日本人が加筆した部分があり、その箇所も特定しています。そしてそれらの分析をもとに、α群・β群の述作者の特定にまで踏み込んでいます。
単に日本の歴史上の出来事を追うだけでなく、当時の社会や海外の情勢、あるいは政敵の動向などを踏まえて、歴史を動かしてきた「意図」を知りたいと思っています。今は、そういうことができる時間がほしいです。
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