大学入試のあり方を議論する文部科学省の有識者会議は、2024年度以降の大学入学共通テストで実施するかどうかを検討していた記述式問題を見送る方向で一致したようです(→こちら)。
この決定とは逆に、試験は記述式(論述式)を中心にすべきだというのが私の持論です。以下、過去のブログを再掲します(2014年1月のブログなので試験の名称が「大学入試センター試験」になっています)。
現在の「大学入試センター試験」の前身である「共通一次試験」は、1979年に始まりました。私が大学を受験をしたのはその前年の1978年なので、私は「共通一次試験」を経験していません。「共通一次」以前の入試問題は論述式が多く、なかには解答用紙1枚全部を使って答えを書かせるような問題もありました。
論述式よりも選択式の問題が増えた理由は、採点の労力を軽減するためにほかなりません。ということで、大学入試だけでなく、小・中・高の普段の授業で行われるテストも、選択式問題が圧倒的に多いのが現状です。
しかし、それによって大きな弊害が生じていると私は思います。
- 物事には必ず正解が1つだけ存在するという観念が植えつけられてしまう。
- ほんとうに理解していなくてもとりあえず正解できるので、さらに深く掘り下げて考える習慣が身につかない。
- 論理的に考えて、それを文章にする能力が育たない。
- 総合的な能力を伸ばすことよりも受験テクニックを強化することに、教育の重点が置かれる傾向が強まる。
選択式問題を全廃することは難しいですが、その比率を大幅に(全問題の1〜2割くらいまでに)減らしたほうがいいと思います。さらにもっと踏み込んで、「試験」のあり方そのものを問い直す必要もあります。
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