今は違うかもしれないけれど、私が卒業した大学では、最初の2年間は「教養部」と呼ばれる校舎で教養課程(一般教養)の授業を、後半の2年間は学部の校舎で専門課程の授業を受けました。「教養部」での授業は、かつての旧制高等学校の授業に該当するそうです。
「教養部」での2年間は、暗記中心の受験勉強からも解放され、知的好奇心が刺激されてけっこう楽しかったのを覚えています。特に、哲学や日本史などの授業は、単に事柄を覚えるのではなく、「なぜそうなったのか?」「どういう意図が働いてそれが起こったのか?」といった、物事が動く力学のようなところまで踏み込んでいて興味深かったです。
さて、私はもう数年で定年退職を迎えて自由な時間が増える予定ですが、そうなったら、かつて「教養部」で習ったような一般教養を(今度は独学ですが)もう一度学んでみたいと思っています。現在関心のあるテーマは次のようなものです。
- 古代の王は、どうやって国と民を支配することができたのか?
- 一神教(特にアブラハムを始祖とする宗教)の聖典はどのような意図で作られたのか?
- 日本の社会はどのように形成されてきたのか?(網野善彦さんのさまざまな著述をベースに)
- 「日本書紀」はどのような意図で編纂されたのか?(森博達さんの『日本書紀の謎を解く―述作者は誰か』 (中公新書)を出発点に)
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