2013年に書いた記事を再掲します。
お金にはさまざまな機能があります。
- 交換の手段=お金を払って物を買う
- 価値の尺度=この商品は◯◯円だ
- 貯蓄=今すぐには使う予定がないお金を将来に備えて銀行に預ける
- 利殖=預けたお金に利子がつく
- 投資=配当や長期的なキャピタルゲインを期待して株式などを買う
- 投機=短期的な売買によって利鞘(転売益)を稼ぐ
よく「投機マネー」という言葉をよく耳にしますが、それは6.の「投機」へと向かうお金です。ただ、5.の「投資」と6.の「投機」との境目は曖昧です。私の感覚では、株を買ったら少なくとも5年は持ち続けるくらいでないと、やっぱりそれは「投機」なんだろうと思います。そして、一説によると、世界中で動いているお金の95%以上は「投機マネー」だそうです。「投機マネー」の動きによって株式や為替の相場が乱高下して世界経済が混乱することが、近年大きな問題になっています。
「モモ」や「はてしない物語(「ネバーエンディング・ストーリー」として映画化された)」といった児童向けファンタジー小説の作家として知られるミヒャエル・エンデは、お金の本質について深く考察した人です。彼はこう言っています。「重要なポイントは、たとえばパン屋でパンを買う購入代金としてのお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は、2つの全く異なった種類のお金であるという認識です。」NHKが晩年のエンデにインタビューしたテープをもとに、特別番組が放送され、『エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと』という本が出版されました(詳細な解説は→こちら)。
銀行に預金すれば利子がつくのは常識ですが、マイナスの利子がつく(預金が減っていく)ような世界をエンデは考えています。特別扱いされているお金を他の財貨と同じ地位に戻すことによって、人類はお金の呪縛から解放されるのだという考え方です。
お金の本質についてもう少し考えてみたいと思います(その2に続く)。
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