昨日の記事にも、「伽藍方式」と「バザール方式」という言葉が出てきました。「バザール方式」とは、簡単に言えば、みんなで寄ってたかって仕事する方式です。2013年に書いた記事を再掲します。
米国のプログラマーEric Raymondが書いた「The Cathedral and the Bazaar(伽藍とバザール)」という論文があります(日本語訳は→こちら)(私が要約した文章は→こちら)。
「伽藍方式」というのは、会社や行政機関のようにピラミッド型の指揮命令系統を持った組織で仕事を行う方式です。一方の「バザール方式」は、Linuxカーネル開発に代表されるように、「参加者を限定せずに参加者の独自性を尊重し階層的な組織ではなく個人が中心となったルールや命令系統の少ない方法で進める手法」で、言い換えれば、みんなで寄ってたかって仕事する方式です。この論文はプログラムの開発に焦点を当てて書かれていますが、「伽藍」と「バザール」という2つの分類は人間のあらゆる活動に当てはまると思います。
有史以来、複数の人間による恊働組織は、「伽藍」の構造を持つ方向に進む傾向がありました。ところが、元々は何かの目的を達成するために形成された「伽藍」が、いつのまにか「伽藍」を維持することのほうが主たる目的に代わっていき、制度疲労を起こし、腐敗を生み、徐々に当初の目的を達成する力を失っていくのが常でした。
そういった古い「伽藍」の組織に代わって、目的に共感する人たちが寄ってたかってその目的を達成していくような「場」=「バザール」を一つひとつ開いていくのが、今日的な方向だと考えています。
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