私は数学に関してはまったくの素人なので、的外れなことを書いているかもしれませんが、何卒ご容赦ください。
4/10(日)に放送されたNHKスペシャル「数学者は宇宙をつなげるか? abc予想証明をめぐる数奇な物語」を観て、これは数学の世界における「コペルニクス的転回」の前触れではないかと、知的好奇心を大いに刺激されました。番組では、望月博士によるabc予測の証明に対して難色を示す数学者がいる理由を、19世紀の数学者・ポアンカレが言った「数学とは異なるものを同じと見なす技術である」という考え方に反して、「同じものを違うものとみなしている」からだと説明していました。
これは、数学の理論上の問題というよりは、対象(あるいはこの世界)をどう認識するかという哲学的な問題ではないかと私は感じました。例として適切かどうか分かりませんが、たとえば決定論か非決定論かの議論と似ているような気がします。あるいは、これも例として適切かどうか分かりませんが、有名なたとえ話「街灯の下で鍵を探す」のように、対象へのアプローチの問題なのかもしれません。
直感的には、望月博士の証明は正しくて、かつて指導教官だったファルティングス博士が「望月は説明に力を入れるべきです。今はなぜ彼のアイデアがうまくいくのか分かりにくいのです」と言っているように、何かうまいたとえ話が見つかって、みんなが発想を転換できれば解決するのではないかと私は感じています。
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