これまで勉強してきた進化心理学の考え方に照らすと、「いじめ」の本質は、当初は生存と生殖に有利だったヒトの心の動きが、その後に副作用に転じたものだと感じていました。たとえば、集団内にフリーライダーが存在すると利他的な行動が進化しなくなってしまうので、ヒトは集団内にフリーライダーがいないかと目を光らすように進化しましたが、その行動が形を変えて「いじめ」につながっているのではないかと漠然と考えていました。
「いじめ」の起源をもっとしっかり把握するために、小松正著『いじめは生存戦略だった!?』を買いました、が……。
本書は進化心理学の基本的な考え方をきちんとおさえた良書ですが、集団内の個体間の競争と「いじめ」を同一に捉えているのは、ちょっと違うようのではないかと思います。「いじめ」の起源は心の中のもっと深いところにあるような気がします。もう少し専門的に踏み込んだ本を探してみます。
コメント